同居の父が最近よく食べこぼすし、食べるのが遅くなっています。
飲み込みづらそうなんです。
・・・飲み込みの相談は、歯医者さんでいいんですか??
どこに相談すればいいのでしょうか?


はい、歯医者で大丈夫です!
当院は嚥下(えんげ:飲み込みのこと)専門の先生がいます。
飲み込みの評価、リハビリも可能です。
歯の治療と別に「嚥下」を専門に診る先生がいる訪問歯科は、珍しいです。
大きい医療法人だからできる、ともいえますね。
安心してご依頼ください。
モグモグゴックンがうまく出来ない「摂食嚥下障害」
「食事の時に、よくむせている」
「ご飯を食べるのに、時間が掛かるようになった」
「食べ物がのどに引っ掛かっている??」
「飲み込みの機能」(摂食嚥下機能:せっしょくえんげきのう)の衰えが原因かもしれません。
足腰だけではなく、ノドやベロの筋肉も衰えてくるのです。
※「食べ物を認識→噛む→飲み込む」の一連の動作を、摂食嚥下(せっしょくえんげ)といいます。
摂食嚥下(せっしょくえんげ)とは
健康だとテレビやスマホを見ながら当たり前のように「ご飯を口に入れて、噛んで、飲み下す」行為ができますが、それらは歯/アゴ/ノド/ベロ/頬が絶妙なタイミングで連携することで、初めてスムーズに飲み込めます。
その一連の機能は「摂食嚥下(せっしょくえんげ)機能」と呼ばれ、その機能がうまく働いていない状態が「摂食嚥下障害(せっしょくえんげしょうがい)」です。
嚥下の専門医チームがいます!
摂食嚥下障害かどうかは、鼻から内視鏡を通して検査します。
(内視鏡検査、下記画像参照)
また、当院には「嚥下の専門医チーム」がおります。
これは訪問歯科の中でも非常に珍しいことです。
専門医のチームなので、嚥下の検査→評価→リハビリまですることが可能です。
嚥下は向上させるというよりも、まずはこれ以上機能低下しないように現状維持を目指します。
リハビリをするだけでなく、「食事はこういう形態がいいですよ」などのアドバイスもさせていただきます。
「どんな食事ならいいのか分からない」そのような場合も、お気軽にご相談ください。

摂食嚥下機能の概要と過程の5段階について
「摂食嚥下障害って何???」
摂食嚥下は「食べて飲み込む」だけでなく、「食べ物を視認し、口に入れ、咽頭(いんとう)・食道を経て、胃に入るまでの過程」全てを指し、この過程を専門的に「5つの期」に分けます。
「摂食嚥下障害」はこの5つの期のいずれかの段階で異常がある事を指します。
摂食の過程 5段階
①先行期:何をどんなペースで食べるか?を判断する
②準備期(咀嚼期):食べ物を口に取り込んで、噛んで「食塊※」にする
③口腔期(嚥下第1期):食塊を「口からノドへ」送る
④咽頭期(嚥下第2期):食塊を「ノドから食道へ」送る
⑤食道期(嚥下第3期):食塊を「食道から胃へ」送る時期
※食塊(しょっかい):噛んだ食べ物が唾液と混ざり、かたまりになったもの
摂食嚥下機能に関連する器官
普段まず意識しない食べる・飲むの役割を担う「摂食・嚥下機能」に関連する器官をご紹介します。
下記図と表内の番号を参照の上ご覧ください。

1.舌(した:ベロ) | 食べ物を奥へと移動させる、食塊をノドへ送り込む際の最大の力です。舌の奥のほうは「奥舌」といい、味は舌で感じます。 |
2.軟口蓋 (なんこうがい) | 口の中の上アゴのこと。 食べ物を口の中に溜める際、舌についてノドにこぼれないようにします。 また、食塊をノドへ送り込むとき、鼻に食べ物が逆流しないようにします。 |
3.咽頭後壁 (いんとうこうへき) | ノドのうしろを形成している筋肉です。 飲み込む時に収縮し、食塊を食道に送り込みます。 それと同時に軟口蓋と接触し、食塊が鼻に逆流するのを防ぎます。 |
4.舌骨 (ぜっこつ) | ノドにある小さなU字型の骨です。嚥下時に筋肉が収縮、舌骨が上にあがり食道の入口を開かせます。 |
5.喉頭蓋 (こうとうがい) | 嚥下時に気管にフタをして、誤嚥(ごえん)を防ぎます。 |
6.甲状軟骨 (こうじょうなんこつ) | いわゆる喉仏(のどぼとけ)です。嚥下時に引っ張られるように上がり、食道の入口が開きます。 |
7.声帯 | 嚥下時にピッタリふさがり誤嚥を防ぎます。この部分よりも下に食物が入った状態を「誤嚥(ごえん)」と呼びます。ここから下が気道です。 |
8.食道入口部 | 食道の入口です。 輪状の筋肉により普段は閉じていますが、嚥下時、嘔吐時、またゲップをするときにだけ開きます。 嚥下時には、主に舌骨や喉頭に引っ張られるようにして開きます。 |
9.第3頬椎椎体 | 背骨の首の部分の骨です。上から3番目にあります。 |
10.第4頬椎椎体 | 上から4番目の首の骨です。健常な人の舌骨はこの高さにあります。 |
11.第5頬椎椎体 | 上から5番目の首の骨です。健常な人の声帯、食道入口部はこの高さにあります。 |
摂食・嚥下の動き
下記は、実際どんな動きをしているのかが分かる、健康な人が液体を嚥下する動きです。(緑色の部分が食塊)

A嚥下する直前
舌の前と後で食塊をひとまとめにし、食塊が軟口蓋と奥舌が接触して咽頭にこぼれないようにします。
B口腔期
食塊が、口からのどに送り込まれます。
この時、軟口蓋が挙上して咽頭後壁と接触して、食塊が鼻への逆流を防ぎます。
これを前後して、舌骨の挙上が開始します。
C咽頭期の開始
舌骨挙上、および下骨に引かれるようにして喉頭が挙上します。
喉頭蓋も倒れて、気道を誤嚥から守ります。
D咽頭期
咽頭に入った食塊が、奥舌に送り込まれ、咽頭が収縮して食道へ送り込まれます。
また、舌骨と喉頭が挙上して食道の入口が開きます。
E食道期
食塊は、完全に咽頭から食道へと送り込まれます。
F嚥下反射の終了
食塊は食道から胃へと送り込まれ、関与した組織が元の位置に戻ります。
当院では、摂食嚥下専門の先生がおります。
分らない事、心配な事は遠慮なくご質問ください。